2015年9月27日
750Turboのレストア日記
北へ
遂に東北へ足を踏み入れた私と750turbo。ココまで北上したのは人生初です。
遠刈田温泉は、昔から話に聞かされていたので中継地的ではあるけど泊まってみました。
温泉は本物の掛け流しで言う事なしの満点ですね。
ただ、自分には宿泊費がやや高めなのがネックかな。目玉の食事メニューもイマイチないし。
贅沢ではあるが、私には雰囲気が清らかすぎて落ち着かない。
からくわ荘さんは所謂「ザ・国民宿舎」。設備は古くとも躯体の頑強さだけは他には負けない宿でしょう。
荒くれ男が大挙して宿泊しても、なんら動じることはない筈。
遠刈田を出て仙台を経て、石巻から女川〜南三陸〜気仙沼と一日で一般道を245Km走りました。
高台以外の海岸地帯はバリケードが張られ重機が並び、道は山側の土砂を海岸へ運ぶダンプカーで溢れかえっています。
傾斜地のトンネル内は、ダンプカーの排ガスと巻き上げる砂塵で前が見えないような場所も何箇所かありました。
「地元の人に健康被害が出るのでは?」と思うほどで、この状況は全く想像出来ていませんでした。
からくわ荘の女中さん曰く「やっと仮設住宅から国設復興住宅や自前で建てた家に移り始めた段階なので、ほとんど大半の人は観光客を呼ぼうなどと考える余裕は未だ全くない。」そうです。
「あと5年からもしかしたら10年位はこの状況が続くのでは。そして復興工事が完全に終わった時には過疎高齢化が進み人口がかなり減っているから、綺麗になった街には誰も居ないんじゃないかな。」
北への旅路はまだまだ続く。
東北自動車道 白石ICを降りて午後4時頃に、この日の宿「遠刈田温泉 星灯りの宿まほろば」さんに無事到着。
オープンしてまだ二年も経たない宿らしいです。
私のお客さんが遠刈田出身で紹介していただきました。
施設で温泉を堪能し食事を終えて出てくると、宿の玄関がカオスな事に!
隣の焼肉屋と玄関口が共通とは言え、宿の雰囲気とは違いえらく派手ですな。
9月27日午前5時30分。午前4に起床し出発準備をしていたが、夜半からの降雨がまだ続いていた。
天候回復の予報だったので合羽を着ようか迷っていたが、出発時刻の午前5時半に丁度雨は止んだ。
苦難の旅路が予想されるが、出だしとしては良い兆候だ。
関越自動車道を経て北関東自動車道へ入り、とうとう東北自動車道へ。
3回目の給油は那須高原SAにて。
オール板間でスリッパすらない館内。
オープンして間もないため、いたる所が綺麗で清潔感がある。
やたら動作の怪しいメーカー不明な小型液晶テレビには閉口したが、「星灯り」がウリの宿には、テレビなど問題外なのだろう。
宿の真向かいに日帰り温泉施設「まほろばの湯」があり、外湯温泉はココで入る事に。
宿の宿泊コースには夕食は付かず、食事は朝食を含めてこの施設の食事コーナーで済ませる事になる。
ごちゃごちゃした仙台市内は早々に退散して、R45を石巻市めざして走る。
平日のもかかわらず、途中の松島海岸は大量の観光客でごった返していた。
館内の廊下も和風で超綺麗。
部屋の名前が星座になっており、私の部屋はオリオン座であった。
因みに一階の部屋は個室露天風呂付きらしく、家族連れやカップルで盛況なようであった。
中央道駒ケ岳SAで最初の給油をして2回目の給油は上信越道横川SAにて。
この高速道は初めて走ります。朝から天候不順なためか、二輪車はほとんど見かけません。
逆の関東方面からの車線は、大量のバイクが走っていましたけど。
碓井軽井沢あたりでは少し強めの降雨に遭遇しましたが、短時間で通過でき助かりました。
宿は崖の上に建っているらしく、部屋から海を眺望したりは出来ない。
環境は静かで建物設備はかなり老朽化が進んでいるが、トイレが全て洋式に更新されていたり、共同洗面所にちゃんと給湯器が設置されていた。
女中さんに聞いたところ、津波直後は避難所に。
その後は全国の警察捜索隊が100名ほど詰めていたらしいです。
今夜は私と復興作業員の方が8名ほどだけでした。
今は、復興作業員はゼネコンが寮を独自で建てているので、かなり少なくなったと言う事です。
「いつも行くのは南だねぇ」皆さんからそんな声を聞く事たびたび。
理由は寒さが苦手とか、「箱根の向こうには魔物が棲む」なんて死んだ爺様から聞かされて育った影響だろう。
現実問題として我が三重県から東北方面を巡るとすれば、かなりの日数を要するため簡単には足が向かない。
数年来考えてはいたが、決行には二の足を踏んでいたのだ。
昨年末より多忙な仕事が続きストレス発散が急務となってきた今、なんとしてもそれを実現せねばならぬ。
9月27日から一週間のみ奇跡的に仕事の空白が出来た・・・と言うか作った訳だ。
最近雨続きであったが、向こう一週間は台風崩れの雨雲が一回通過予定で、天気予報サイトによっては「大して崩れない」ような週間予報を出していた。
コレは神の啓示かもしれぬ。前々日まで大いに迷ったが26日の朝、決行を決意する。
6泊の宿全て、26日に自ら直接宿にTELして予約を済ませてしまった。
もう行くしかない!行かずに後悔か行って後悔か。どうせ後悔するなら後者だろう。
このSAにはモグラがおりますな (^0^)
モコモコと土が沸いてきて、手先か鼻先のピンク色の物体が見え隠れしていました。
摘んで引っ張り出すチャンスを伺いましたが無理でした。
この日はほとんど高速道のみ779Kmを走りました。
ほぼ雨を回避出来たし、寒くもなく意外と疲れなかった。
ただこの宿の清廉な綺麗さは妙に緊張する。
なぜかあまり深く眠れなかった。酒が足らなかったのか・・・。
やはり私にはクタビレ気味な宿のほうが合うのかもしれない。
からくわ荘さんの食事の「量」にはビックリ!
量のみならず味ももちろん良いです。
特にカニは美味かった。
しかしこのボリュームには驚きです。
食べ残さない主義なのですが、これには降参しました。
寿司は食べる事が出来ず、女中さんにゴメンナサイしました。
館長?さん自ら出てきて「うちは食事の量だけは他所には負けませんよ」と自慢されていたが、その言葉に偽りなしだ。
寝付けず夜中に月を撮影してみる。
やっぱり上手には撮影出来ないね。
モヤっていて星はイマイチ見えないな。
翌朝散歩がてら、近くの「こけし橋」まで歩いてみる。
ここは宮城県刈田郡蔵王町遠刈田。こけしの産地らしい。
こけし橋からの景色。
しばらくは晴天が続く予報である。
宿の料金は個室露天風呂なしで10,150円。
一人割り増しが2,000円付くので不利だが、遠刈田温泉では安いほうかな。
この他に夕食・酒代に2,000円ほど払いました。
2日目は遠刈田温泉から仙台市方向へ走り、青葉城址の伊達政宗公像。
えらくカッコええお姿ですな。
仙台市の天候は抜群!
石巻市内に仮面ライダー像があったので撮影。
石ノ森章太郎氏が開設した漫画館があるらしい。
この後R398女川リアスブルーラインへ入る。
海岸線の道路は津波被害の復旧工事のため大変な状況になっていた。
低い海岸線の町は、海岸側が完全に土木工事現場化しており、停車して海を眺望したりはもちろんバリケードのため近づく事さえ出来ない。
道路は土砂運搬のダンプカーが列を成して跋扈しており、道路上延々とダンプカーが巻き上げる砂塵が舞っている。
特に女川港周辺は、一面土木工事現場であり大混乱な状況である。
私と750turboは完全に「工事現場に入り込んだ部外者」となった。
R398を南三陸町志津川の南まで走りR45に合流。
そのまま海岸線を北上して数少ない道の駅「大谷海岸」を見つけて休憩。
ココまで来れば、宿まであと1時間かからない。
道の駅は元駅舎だったようだ。
海岸側の裏手にはホームと線路が残されていた。
相変わらずダンプカーが溢れる気仙沼市内を抜け、午後5時前にこの日の宿「国民宿舎からくわ荘」さんに到着。
太平洋岸に出てから延々と砂塵を浴び続けたので、バイクも私も真っ白けになりました。
到着したらマズはバイクをタオルで拭きました。
宿は正統派の国民宿舎宿(^∇^)
落ち着きますなぁ。
チェックインして即、私の体も洗車しました。
「道の駅 大谷海岸」裏手のパノラマ合成写真です。