2014年6月1日
750Turboのレストア日記
古人はお寺の鐘の音に「諸行無常」を感じた。
私の場合はコイツのエンジン音であろうか。
先週サスペンション回りの整備を終えて、試走がてら木曽・伊那方面をぐるりと走ってきた。
フロントサスはややオイルが多めに仕上がったのか、以前より固くなった印象。
リアに関しては未だイマイチ安定が悪い感触であった。
伸び側のダンピングを標準より抜いている事が悪影響しているのかもしれないけど。
ダンピングは締めてみるが、リンク用のベアリングが購入してあるのでこの際交換することにした。
ゆうに10年以上経過しているので、交換時期としては悪くないと思う。
ベアリングは市販品で入手しやすいNTN社製に統一しました。
入梅前の最後の好天日の予感がしたのでバイクを乗り回したかったが、まぁ輝く太陽の下での整備作業も悪くないかな。
順調だったのが何よりでした。
リア回り整備一連の使用ベアリング型番は以下の通り。
スイングアーム 純正KOYO BHTM2530-1 ワタシNTN HMK2530 2個
リンク・フレーム 純正NSK FJ-2020 ワタシNTN HK2020C 2個
リンク・スイングアーム 純正NSK FJ-2020 ワタシNTN HK2020C 2個
リンク・ショック下端 純正NTN HK2016 ワタシも同じく 1個(NSKならFJ-2016)
NTN製は、許容回転特性に劣るが限界荷重特性は若干良い。
木曽方面はトンネルが多く、ランプを点灯しっ放しで一日走ったらまたヘッドランプが曇り(焼け)だした。
表面のレンズも樹脂製のためか一緒に曇りだしている。
サンテカのHIDからは良からぬ光が出ているのだろうか・・・?
やれやれ、コマッタ、コマッタ (´-ω-`)ウーン。
反対側はジャッキにて、当て木を介してフレームを持ち上げます。
ジャッキの上げ具合を微妙に調整して、後輪が宙に浮く寸前までアップさせます。
つまりリアサスペンションが丁度伸びきって、リンクに力が掛からない位置で止める訳です。
両側に2個入っている箇所もトコロテン式に一方から押し抜きます。
計5個のベアリング抜き取り完了。
全く錆びていなかったのでスンナリ抜けました。
センタースタンドを使用せずに車体後部を浮かせなくてはいけません。
邪魔なので分割構造のマフラーを外します。
前回センタースタンドが邪魔で整備出来なかった、リアサスリンク回りのベアリング交換に挑戦します。
ベアリングは一式購入してありました。
リンク外し完了。
最後の位置調整は、ベアリングより若干直径が小さいソケットレンチのコマで行います
コマの丁度5ミリほどの位置に溝が彫ってあるので目安に好都合。
新品のベアリングの圧入は、外した同寸のベアリングを当て物にして圧入していきます。
ただし、オイルシールの厚みだけ奥へ押し込まなくてはいけませんのでこの方法ではリンクツラまで。
この部分のベアリングは、10年前のオーバーホールより以前に自分で交換した事があります。
記憶を頼りに作業開始。
マズ水平度を最大限確保するため、反対側へ倒れない程度にサイドスタンドにブロックを当てます。
オイルシールの挿入幅は4.5ミリほど。
4.5〜4.8ミリほどベアリングを押し込めば良い位置に収まるようでした。
当然ですが、圧入前には双方にグリスを薄く塗っておきます。
指で全ベアリングにグリスをしっかり詰め込みます。
スイングアームに使った373さん直伝の赤いシャシーグリスを使いました。
昔は、サスリンクはモリブデングリスが常識でしたけどねぇ。
シャキーン!
コレにてベアリング圧入終了。
ウエスで綺麗に拭き上げたリンクに、新品のベアリングを圧入する作業は楽しいものです。
オイルシールは既に欠品なので、ウエスで丹念に拭いて再びグリスを塗って再使用。
程度は良く十分再使用可能でした。
3本のシャフトもグリスを塗って装着。
最後に3本のボルトナットを7Kg/mのトルクで締め上げて完了です。
総作業時間は5時間ほどでした。
今回リンクスリーブシャフトは、一番全長が長い物一本のみ入手できた。
他は既に欠品であるが、現物をみて気がついた。
「外形は全て同径だから、一番長いコレを加工してもらえばいいんじゃないか?」
まあ、一番痛んでいたリンクと車体フレーム間のシャフト(上から2番目)でも、
まだ交換が必要な程度ではない感じだが。
一応入手できたシャフトのみ交換して今回の整備は終えた。
全体的に程度は悪くなかったようだ。
スイングアームだけの状態で手で上下に揺さぶったときは、ややガタが大きいかなとも思ったが・・・。
フロントタイヤには流転しないようにブロックを咬ませました。
若干下り勾配だったので。
フロントブレーキレバーをタイバンドで締め上げて、ブレーキを効きっぱなしにしたほうが無難かもね。
これでリンク部分が分解できます。
センタースタンドが上がっていれば、リンクボルト3本は問題なく外せます。
「貧者のプレスマシン」万力と、ソケットレンチのコマを駆使してベアリングを押し抜きます。
またヘッドランプが曇りました (TT)